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OSごとSSDを別のマザーボードに移植する作業の手順

OSがインストールされたM.2SSDドライブを,異なるマザーボードにCPUと一緒に移植するとOSはそのまま起動できるのでしょうか? またチップセットとCPUが異なる場合はどうでしょうか?

実験した結果を記録を残しておきます.

実験1 (CPUは同じだがチップセットのグレードだけ異なるマザボへの移植)

元の構成(メーカーPC)
移植先
手順

あとでWindowsのPINコードを再設定する必要があるために,WindowsアカウントのログインIDとパスワードを準備しておきます.

またマイクロソフトからの確証コードを受け取るために携帯電話等も必要です.

パスワードを控えたら,もとのマザーボードからCPU,SSD,メモリを外して,B365マザーボードに載せ替えます *1. 構成としてはマザボ,CPU,SSD,メモリのみで映像出力はCPU内蔵グラフィックスを使います. キーボードとマウスはUSB2.0接続の無線タイプをつなげました.

実験1の結果

電源スイッチを押すとWindowsは起動しました.しかしログインしようとすると,PINを再設定しろというメッセージが出て,Windowsのアカウント入力を要求されます. ここであらかじめ控えておいた情報が役立ちます(PCが一台しかない場合は,ここで困ると推測). Windowsアカウントを入力するとSMSで確証コードが携帯電話に送られてきます.コードを入力してPINを再設定すると,Windowsのデスクトップが立ち上がります. 結局必要なのはWindowsアカウントの確証のみでした.確証コードの受け取りに携帯電話かタブレットが必要です. 確証後の動作は特に問題ありません.

実験2 (CPUもチップセットも異なるマザボへの移植)

元の構成
移植先
実験2の結果
  • 世代が異なるチップセット(初代から第9世代)のマザボSSDを載せ替えてもOSは起動した(ちなみにP55は10年以上前に組んだマシンだが現役)
  • win10のためか,PINの再設定やWindowsアカウントの入力も必要なし.ただし起動後の動作は明らかに遅く,なにか不具合が生じている可能性がある.
  • 数日後にログインすると,Windowsアカウントの確証を求められた.マザボMACアドレス等で識別しているのかもしれない.
分かったこと
  • メーカー製のマザボが独自のバックプレートを装着している場合は,トルクスドライバ(T20)で外す.ただしCPUソケットを固定するには専用のステーかナットが必要.このステーはチップセットが異なっても共通なのでジャンクマザボから使い回すことが可能.
  • 高さ164mmのクーラが入るならAS500(PLUS)が最善の選択.他のパーツとの干渉なし,冷える,静か,低価格で最高.OCしないのであればアサシンとかNH-D15は必要なさそう.
  • CPU用ATX12V8ピンコネクタに,4ピンだけ挿しても起動する.今回使用した電源ユニットで使える補助電源はATX12V4ピンのみ.TDP65WくらいのCPUなら問題なさそう.
  • PCケースのフロントパネルから電源スイッチだけ外してマザボ(Front_Panel)につなげば,バラックでOSを起動できる(この方法だとCPUクーラの取り付けとOS起動確認が簡単).
  • M.2 Wifiコネクタにカードを挿せば,PCIスロットを節約できる.アンテナ線はカードにスナップで取り付け可能(ハンダ付けじゃない).アンテナ線の先はケース内部に貼りつけでOK.っていうかM.2にWifi接続できるとか,おっさんは知らんし.
極私的結論
  • ストレージはM.2-MVRe SSD2TBをマザボに2枚挿せば十分.というか起動ドライブもSATA-SSDで十分.
  • もはやPCケースに5インチベイとHDDベイは不要.つまり165mmの空冷クーラー用ハイトさえ確保できればよい.
  • マザボの拡張スロットは2個で十分.wifiもM.2接続で十分.つまりマイクロATXで十分.
  • クーラはAS500かAK400で十分.簡易水冷は不要. 
  • 静音化最後の壁は電源ユニット.ハイブリッドで無音化可能.
  • BIOSでCPUの電圧下げて静音化しても,パフォーマンスはそれほど低下しない.
おまけ CPUの設定

RyzenTDPを下げる方法の一つは,BIOSでEco modeを指定する. MSIの場合,delキーでBIOS設定.Setting→AMD overclocking→Eco mode.Ryzen9-3900xの場合は65Wに下がる.

クロックスピードの調整

  • BIOSをアドバンスモードに切り替える
  • CPU Ratio 43→33くらいに倍率を下げる
  • CPU Core voltage 1.4→1.0(Autoのままでもよい)

なお,DragonCenter(MSIのPCパーツ管理ソフト)でサイレントモードを選ぶとクロックスピードが定格の半分になるようです.

*1:マザボをケースに入れると作業しにくいので,ケースの外に置いたマザボにフロントパネルコネクタから電源スイッチのケーブルだけを挿しておくと便利です.高級なマザボはテスト用にスイッチが基盤に付属してますが,なくても電源スイッチだけ外付けできます.